愉しむ心

この数日間猛暑が続いています。私は子供の頃から夏が大好きで、この暑さも心の奥ではとても喜んでいます。

しかし表面の意識では、日中ジリジリする太陽を感じながらの外出はやはりしんどいなと思ってしまうのは大抵の人と同じかもしれません。

先日ちょっとした買い物の用事を済ますために、このオフィスから吉祥寺駅の向こうにあるヨドバシカメラまで歩いて出かけてきました。

そのときも大変な暑さで、街を行き交うみなさんのどの顔からも笑顔が消えて、何か苦渋に満ちたような表情をしているのです。

こんな暑さの中を自分は何で出かけてきてしまったのだろうというような後悔のような表情とでも言えばいいのか、暑さに耐えながら誰もが歩いているのです。

そんな中で、むこうから若い男女のカップルが手を繋いで何やら楽しそうに歩いてきました。彼らはほとんどの人と違って暑さが気にならないように見えました。

繋いだ手のひらが汗でじとっとして気持ち悪いんじゃないのかなといった余計な心配をしてしまいましたが、そんなことはどうでもいいくらいに楽しそうでした。

彼らにとってはこの暑さもデートを祝福してくれるものに感じているのかもしれません。ヨドバシカメラの入り口手前の道路に三分間写真のボックスがあるのですが、その中に子供たちがいるのを見かけました。

小学生の男の子たち三人がその中で楽しそうにはしゃいでいるのです。きっとそのボックスの中は40℃を越えるくらいの温度になっているはずです。

それにもかかわらず、彼らはとても愉快そうに出たり入ったり、カーテンを閉めたりして多いに楽しんでそのボックスをまるでおもちゃのようにして遊んでいたのです。

彼らにとってもこの猛暑はまったくどうでもいいものなのでしょうね。さきほどのカップルやこの子供たちのように、人は何かに夢中になっていたり楽しんでいると、暑さも気にならないのです。

暑さを恨みがましく感じながら過ごすよりも楽しい時間を味わうことの方がいいに決まっていますね。それなら意識的にそのように自分に仕向ければいいわけです。

そうすれば暑さ寒さを超えて人生を楽しむことが誰にでもできるということですね。子供だからとか、若いカップルだからとかという理屈を考えることをやめて、なるべくそうした生き方を心がけたいものですね。