子供の頃、夜寝る前に明日の時間割を調べて、ランドセルに教科書などを入れておくということをやっていたのですが、それは多分親の言い付けがあったからだと思います。
親は忘れ物がないようにとの気配りからそのように言ったのでしょうね。朝の慌しい時間に急いで時間割を揃えるとどうしても何かを忘れてしまう可能性が高くなるからです。
このように、私達は明日のことや一週間後のこと、一ヶ月先や一年後など、未来を予測して準備をするということを日々繰り返して生活しています。
こうした未来の準備というものを楽しみながらする場合はいいのですが、自分の不安感を鎮めるためにということになると、少々問題が生じてきます。
極端な場合には、これから起きるかもしれないと思われる未来のことについて、最悪な状態ばかりをイメージして、それに対処しようとして現在の生活がままならなくなることがあります。
今心配しても何の足しにもならないようなことを常に頭の中に描いては、気づかぬうちに自分の心を不安に陥れてしまうのです。
こうなると、今この瞬間の心がすべて未来の不安を解消することばかりに使われてしまうということになってしまいます。
それでは本末転倒です。現在という大切な時間は、この今を楽しむために使うべきですね。私達は楽しんだり、喜んだりするのは現在に心があるときがほとんどなのです。
明日の心配をずっとしている心は、実際に明日になればなったで、またその次の日の心配をしてしまうということに気づく必要があります。
未来への準備が悪いと言う事では決してないのですが、それは現在を充分楽しむということが前提であることがとても大切だということです。
それなくして、未来を心配するのであれば、その人は必ずその心配している未来においても、今と同じようにまた更なる未来を心配するに違いないからです。