人は誰もが幸せになりたいと思っているその裏側で、実は仕返しを目論んでいる心を持っているのです。勿論それは一般的には自覚されていません。
そして仕返しを現実のものとし続けるためには、残念ながら自分の人生を幸せの方向とは反対に向かわそうとしてしまうのです。
なぜなら、自分が誰からも羨ましがられるような幸せな人生を得てしまったら、それこそ仕返しすることができなくなってしまうからです。
つまり、その仕返しとは自分の人生が病気や不運などの苦悩によって彩られている必要があるということです。
その理由は、仕返しの相手が親だからです。あなたのせいで、自分はこんなに苦しんでいる、こんなに辛い人生になってしまったのだということを知らしめたいということです。
それは元はといえば、幼いころに自分が我慢をして自己犠牲を強いてきたことに対する不満の気持ち、文句を言いたい、訴えたいという思いがベースになっています。
そうした満たされない思いが大人になっても人生のあらゆる場面で、かたちを変えて現実としてやってくるのです。
成長する過程において、充分にその不満を親にぶつけて受け止めてもらうことができたなら、その時点で仕返しは沈静化すると共に幸せを求める人生がやってきます。
しかし、そうしたことが実現できないまま大人になってしまうと、いつまでたっても親に対して訴え続ける気持ちがなくならないのです。
そしていつしか、訴え続けること、つまり復讐することそのものが人生の目的と化してしまうのです。これは本当に恐ろしいことですね。
大切な自分の人生を馬鹿げた復讐のために台無しにしてしまう可能性があるのです。もしも、自分の人生を呪いたくなるような気持ちがあるのでしたら、このことを一度真剣に見つめてみることをお勧めします。