私たちが仕事をするとき、自分が費やした時間や労力に応じた対価(つまりお金ですね)を報酬として受け取るという目的があります。
つまり、自分の労働とそれに見合った報酬をトレードしているということですね。この取引の考え方は実は基本的にエゴの思考体系の産物なのです。
自分の行動に対してその見返りを求めるわけですから、そこには予想される期待値というものがついてまわります。
自分がこれだけの成果を出したのだから、当然これだけの報酬を受け取る権利があるとするのです。そして、その期待値に対して結果が下回るようだと、損をしたという不満が発生してしまうのです。
一番分かりやすい例が野球選手が球団を相手取って、来年の年棒の契約更改をするわけですが、互いの間で交渉が難航することがよくあります。
選手側は、今年の成績を元にしてできるだけ報酬を高くしようとするし、球団側はできるだけ低くしようとする両者の攻防が起きるからですね。
それほどはっきりした形ではないにせよ、一般的な企業の場合でも雇う側と雇われる側の間にはそういった駆け引きのようなものがあります。
取引というのは結果を想定、あるいは期待しますので必ず不満が起こるのです。そこには愛がないからです。
どんな仕事であっても、与えるという気持ちが大切なのです。そうした気持ちであれば、報酬を期待しなくなるからです。
形の上では報酬のように見えているとしても、受け取るお金は単に人生に必要となるものを与えられたとして感謝すればいいのです。
自分の人生において、大きなシナリオで仕組まれている計画を遂行するために必要となる様々なものが自動的にあてがわれるということです。
それは人材かもしれないし、時間や空間、機会など、そしてその一つとしてお金があるのです。自分が受け取ることのできるすべてのお金を報酬として見ないようにすることです。
そうすると、受け取るたびに感謝の気持ちが自然と湧いてくるようになります。そして、仕事は取引の材料ではなく、与えるものとするのです。
この二つを切り離すことで、期待から起こる不満から開放されることになるし、生活の中に自然と愛が入ってくる隙間が増えてくるのです。試してみて下さい。