人と人とのコミュニケーションが大切ではないと思っている人などいないはずなのに、なぜ思ったようなコミュニケーションができずに苦しんでいる人が沢山いるのでしょうか?
自分の気持ちを正直に伝えることができなかったり、相手の言葉をしっかり受け止めることができなければ、円滑な人間関係を作ることは不可能となってしまいます。
コミュニケーションの不足は、自分が傷つけられるかもしれないという恐れが多くの場合原因となっているようです。人に与えられたコミュニケーションの手段とは、一般に言葉や身振り手振りなどの動作ですね。
しかしそうした表現をする時に、自分が発信したことに対する周りの反応によって、自分が傷つけられるかもしれないという恐れが強過ぎると、思い通りの表現ができなくなってしまいます。
さらに、自分が傷つけられるかもしれないという恐れは、100%自分の思い込みに過ぎないのですが、それを持っていると、同様に自分の表現したことで周りが傷つくかもしれないという恐れをも作り出してしまいます。
どちらにしても、人間関係でもっとも大切である円滑なコミュニケーションを妨害することになってしまいます。それでは、人は気持ちを分かち合ったり情報を共有することが難しくなってしまいますね。
また、本人の自覚のあるなしに関わらず、自分からわざとコミュニケーションを絶つことによって、相手を攻撃したりある種の復讐をするという場合もあります。
怒りを感じると口をつぐんで話しをしなくなってしまう人とか、相手からの問いかけに応じないで無視するといった手口を使うのです。好きの反対は嫌いではなく無視なのです。
つまり、コミュニケーションをしないというのは、最大の敵意の表れであると言うことも言えるかもしれません。そうなってしまうと、人間関係を作るどころではなくなってしまいますね。
奇跡のコースでは、癒しとは恐れを手放していくことだと言っています。恐れとは愛の欠落した状態のことをいいます。従って、恐れを感じなくする最も効果的な方法は、自分が相手に愛を与えるということを続けていくことなのです。
愛を与える自分は愛の中にいることができるので、恐れを感じなくて済むのです。そうしたら、人間関係のかなめである良好なコミュニケーションができるようになっていくはずです。