最近の医療では、ペインコントロール、つまり治癒させることだけではなくて患者の痛みを取ることの重要性も取り上げられるようになったようですね。私たちが病気のことを思い浮かべて一番困るのはやはり痛みなわけですから当然かもしれません。
痛みがなければ、病気や怪我はそれほど怖くはなくなるはずです。昔から痛みというのは一体何なのだろうというのが自分の中の疑問の一つでした。
痛みには身体の痛みと心の痛みがあるわけですが、個人的には大抵胃が痛いとか腰が痛いといった肉体的な痛みのことをいつも気にしていました。
そしてこの痛みというものを何とかできないものか、いつも考えていました。それだけ、痛みというのは自分にとって恐れの対象なわけですね。
コースと出会った事で、痛みも自分の投影として起こしているのだということがはっきりしたのですが、だからといってすぐに痛みを克服できるわけでもありません。
痛みは感覚ですから、やはり触覚の一つだと言えると思います。だからこそ麻酔を打たれれば痛みの感覚はなくなってしまいます。
ところが麻酔を使わずとも痛みを消したり抑えたりすることができる方法があります。深い催眠状態において無痛の暗示をかけることによって麻酔と同じ効果があることはかなり昔から知られています。
ただ催眠状態というのがかなりあやふやであって、100%の効果を期待できないということもあるために、医療の分野では使われないのだと思います。
しかし、比較的簡単な意識のコントロールによって痛みを抑えることができるということは、意外に痛みを克服するヒントになるかもしれません。
少なくとも、物理的な痛みというものは絶対的なものだという固定観念は捨てた方がいいはずです。痛みは怖いしいやだと突き放すよりは、ただただ受け入れることで若干痛みが緩和することは、誰でも多少経験しているのではないでしょうか。
つづく