私たちの肉体には自然治癒力というものが備わっていますね。身体に有害なものが混入してきたときに、それを素早く察知して抗体というものが作られて、それを取り囲み、機能できなくして殺してしまうというメカニズムです。
それがあるために、様々な病原菌に犯されても時間の経過とともに治癒に向かうことができるわけです。
それと同じように、私たちの心の中にも自然治癒力と呼べるものが備わっています。それが愛の部分である聖霊です。ただし、聖霊は自分の本来の心に戻すために愛を使います。
愛は肉体の抗体のように攻撃して相手をなき物にするということができません。これは「北風と太陽」の逸話に対応するかもしれません。
力づくで旅人のコートを脱がせようとする北風が身体の抗体だとしたら、聖霊は太陽のようにやんわりと本人が自然とコートを脱ぎたくなるようにしてくれます。
また身体の抗体が攻撃のターゲットとするのは、自らが有害と判断した全てのものが対象となりますが、聖霊のターゲットはエゴだけです。エゴは愛以外の間違った心の総称だからです。
それだったら、聖霊がこの悲しみや怖れなどの苦悩を早く治してくれればいいのにと思いますよね。しかし、残念ながら我々自身の心がエゴを選択してしまっているために、聖霊のことを忘れてしまったのです。
これはちょうど、肉体の疲労が激しい時などに免疫力が低下して抗体が作られにくくなって、自然治癒力が正しく機能しなくなることに似ています。
心の自然治癒力である聖霊にその力を最大限に発揮してもらうためには、我々自身が聖霊のことを常に選択するようにしてあげることが大切なのです。
そのためには自分の心はエゴそのものではないという気付きが必要ですね。エゴは個人でいて自主性を持って生きていたいという心の部分のことを指します。
それに対して愛の部分はすべては一つという思いの部分です。そう言われても、あまりにも長い間エゴを選び続けてしまったために、具体的にどうしたらいいか分かり辛いですね。
聖霊を選択するということを具体的に見てみると、一番簡単なのは自分の愛の心だったらどうするだろうか?と物事を選択するときに立ち止まって考えてみるという習慣をつけるだけでもいいと思います。試してみて下さい。