男性は女性に比べてかなり痛みに弱いという話をよく聞きます。女性が赤ちゃんを出産する時の苦痛のレベルは、病気の痛みに例えると腎臓結石と同程度の最高レベルの痛みらしく、男性では耐えられずに失神してしまうくらいだということも聞いたことがあります。
10年くらい前に病気で手術入院したときに、担当になった看護士さんから入院早々に、痛がりですか?と聞かれて、ああこれはしっかり言っておいたほうがいいなと思い、かなり痛がりですと答えたことがありました。
そのおかげで、術後に通常ではあり得ないのですが、2~3日はずっと背中から麻酔薬を点滴し続けてもらうことができ、かなり楽をすることができたのです。
一度、看護士さんの不注意から麻酔が切れてしまったときがあったのですが、その時には急に激しい痛みに襲われて、びっくりして大慌てで処置してもらったこともありました。
自分は昔から時々お腹が痛くなるときがあるのですが、そんな時、この痛みというのは一体何なのだろうかと考えていました。そして痛みを取る方法はないものかと、いろいろ試してみたりしてました。
痛いと思うから痛いのであって、痛くないとすれば痛くないのではないかと思ってみたり、身体に意識を向けないようにしてみたり、本当は痛みなど実在しないのではないかとやってみたりしたものです。
でもいまだに痛みを完全に克服するうまいやり方を見い出してはいません。ただ、「コース」を学んでいくなかで、痛みは結果であって原因は自分の心の中にこそあるということの確信を得ることはできました。
結果としての痛みそのものには何の意味もありませんが、その痛みを怖れてしまうことによって、結局その痛みに意味を与えてしまっているのです。
そしてよく見つめてみると、恐れや不安を伴わない痛みというものはないということが分かります。そしてそのことで本来の痛みを何倍にも感じるようになってしまっているのです。
ですから、その痛みに対する恐れや不安をできるだけ手放すことができると、痛みの感覚はかなり和らげることができるのです。