謝罪 その2

「自分を傷つけられるのは自分の思い以外にはない」というコースの教えを再度考えてみたいと思います。

このことは、勿論自分も含めて他の誰に対しても言えることです。ということは、自分の何らかの言動によって相手が傷ついたと思えるようなことが起きたとしても、それは相手の思いによるものだということになりますね。

自分には何の罪もない、自分は悪くない、相手は(きっかけは別としても)相手自身の思いで自らを傷つけたということになります。

そうなると、自分は何をしてもいいということになってきます。礼儀上謝るということはするにしても、(それだって本当はどうでもいいようにも思えてきます)本当に自分は何をしても許されるのでしょうか?

答えはイエスです。何をしても構いません。しかし、一番大切なことである、自分が幸せになれるかということに関してはノーになってしまいます。

罪深いことだから、してはいけないというのではありません。罪はないからです。しかし、愛のない言動をしていて幸せになることは決してありません。

幸せであるということは、自分の心が愛の状態でいるということですから、その自分がすることというのは相手に愛を与えるということだけなのです。

誰にも迷惑をかけずに生きて行くなどというのは現実的にはほぼ不可能なことですね。ですから迷惑をかけたと思ったら誠意を持って謝ることになりますが、本当に大切なことは相手を慈しむ愛の心です。

それがなければ、どんなに丁寧に謝っても意味はありません。それは自分の罪を許してくださいという懇願に過ぎなくなってしまうからです。

自分を本当に幸せにする謝り方とは、謝罪、つまり罪を許してもらおうとして謝るのではなく、相手を慈しむ愛の気持ちで謝ることなのです。