「奇跡のコース」を読んでいると、本当に毎日すばらしい言葉たちに出会うことができます。実は私はミクシィの方でも毎日日記を書いているのですが、下記の言葉もその日記の中でつい先日引用したものです。
『エゴは分析しようとし、聖霊は受け入れる。』
セラピストというのは、かなりの部分、クライアントさんの心のひだに隠された闇の部分を分析していく仕事であると言えるのですが、この言葉はそんな毎日の仕事の中で絶対に忘れてはいけない事だと思っています。
分析するということは、全体を細かな部分に分解して、その一つひとつを詳細に調べていくことで、結果として全体を把握しようとする方法ですね。これは言ってみれば物質世界での考え方です。
それは、物事はすべて分解可能だという前提に立脚しているからです。しかし、いつも言っているように実在は決して分けることができません。なぜなら、すべては一つであるという愛それ自体がすべてだからです。
コースの言葉をここでも引用してみます。
『全体としてなりたつ状態を分解して理解しようと試みるのは、エゴのあらゆることにたいする典型的で矛盾した取り組み方であることは明らかだ。』
我々人間はこの宇宙についてのあくなき探究心から科学を発達させてきました。そして、近年の科学の発達は目覚しいものがありますね。
しかし、科学は分析によって進歩してきてしまったため、この先どんなに進化しても本質的な到達点へたどりつくことはないのです。
宇宙を分析することはエゴの世界のやり方だからです。どんな優秀な学者たちが新しい発見をしたとしても、全体を愛で理解することはできないと思うからです。
クライアントさんの心をどんなに詳細に分析したとしても、そこはエゴの世界でしかないのです。問題を分析しても問題が解明されるだけで、そこに愛はありません。
反対に、クライアントさんの心の愛の部分を見い出すことができれば、クライアントさんの心に愛が戻ってきます。それには、セラピスト自身がクライアントさんを丸ごと受け入れることが一番大切なのですね。