私にとって、毎日の生活の中でエゴの代わりに愛を選択できる時というのは、プライベートな時間よりも実は仕事中なのです。つまり、クライアントさんを相手にセッションをしている時なのです。
勿論完全にエゴを停止しているわけではなく、ある一定レベルにセッションを保つためにエゴを使ってはいるのですが、それ以上にエゴが大きくなることはなく、一方で愛を発動しています。
その体験が自分にとってはとても心地いい状態なわけです。勿論カウンセリングでも催眠療法でも、会話をするという行為ですので、左脳による言語を使うわけですから、その分当然多少はエゴも発動してはいます。
その中でも考えることを一切ストップさせて行うヒーリングは、自分が愛を発動させるための手段として最も適している行為だというふうに思っています。
私のやっているヒーリングのスタイルは、直接クライアントさんの身体に触れますし、身体のセンターにあるとされているチャクラという箇所を意識して、そこを重点的に癒すようにしています。
ところが、「奇跡のコース」の教えによれば、この世界そのものも、自分の身体もすべてが幻想だということです。今ここにいるのは自分だけということです。それもこの自分ではなくて、全体と一体であるスピリットである自分だけ。
ですから、身体は幻想なのだという点からすると、この身体やチャクラを意識するヒーリングそのものが見当違いなものということになりますね。実はその通りなのです。
それならなぜヒーリングを続けているかというと、上述したようにそれが一番自分の中の愛を感じられる手段だからです。
ちょっと驚かれるかもしれませんが、セッションにとって一番大切なことはセラピストの私がクライアントさんをどのように見るかということなのです。言い換えると、どれだけ愛という洞察力を使ってクライアントさんと向き合っているかということが、一番重要なことなのです。
カウンセリングでどんな内容のお話しをするか、催眠療法その他でどういった心の開放や気づきを得られるかということもとても大切なことなのですが、それを越えて大切なことはセラピストの愛なのです。
セラピストがクライアントさんの身体を越えて、実在としてのスピリットをクライアントさんの奥に見ることができたら、その分だけクライアントさんもセラピストである私も癒されるのです。
だから愛をもって接することのできる人はどんな人でもヒーラーであると言えるのですね。