「三つ子の魂百までも」という言葉が昔からありますね。どんな意味かは諸説あるようですが、一般に三歳までに出来上がったその人の基本的性格は、百歳になっても変わらないものだということですね。
先日、学生の時の仲間たちとお酒を飲む機会があったのですが、お酒が入ってきて当時の話題に戻ると全員が全くその時に戻ってしまいます。卒業してから30年以上経つというのにです。
私を含めて全員が、卒業してから社会人として働いたり家庭を持ったりと様々な経験をしてそれなりに人格形成してきたはずなのに、一瞬にして学生の時と全く同じ心境に戻ることができるのです。
そうして、風貌こそみんな大いに変化してきているのですが、やっぱりあの頃の一人ひとりの性格や物事の捉え方などの個性は全く変化してないのです。だからこそ、話していて違和感なくすぐにあの当時に全員が戻ることができるのです。
私自身、約10年前に会社を辞めて今の仕事をするようになってから、小学生の時の自分にすごく近くなったような気がしています。幼くなったというよりは、その頃不思議に感じていたことや素朴な疑問などがまた戻ってきたのです。
確かに今の自分は小学生の時と比べたら様々な体験や経験をして人生の勉強をしてきたわけで、その自分が小学生の時の自分と全く同じという気はしませんが、何か自分の本質的な個性や特徴などは変わっていないように思うのです。
きっと会社員の頃は、自分の中に残っていた小学生の部分を使う機会がなかったのか、意識的に使わないようにして生活していただけなのだろうと思います。それが、一人で今のような仕事をするようになって、その抑圧がほどけてきたのでしょうね。
そうやって考えてみると、もしかしたら本当に三歳の頃の自分の性格や考え方、特徴などがずっとベースとしてあり続けるのかもしれないと思えてきます。ただし、表面的あるいは外面的には子供から大人へと進化します。
しかしそれは、作りこんだものであり、ある種の鎧のように自分を守るためのものであるだけなのかもしれません。じゃあ、人格形成って一体何なのだろうということになりますね。
つづく