昨日の続きです。
期待しないということが人生を平安な気持ちで送るために是非とも必要なことだということをお話ししました。
しかし、期待しないということをイメージすると、何だか夢も希望も何にもないつまらない人生になってしまうのではないかという印象を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はそのように感じるのは、日頃私たちが今この瞬間に満足できてないことを解決するために、未来に希望を託して生きているからなのです。
今はお金がなくて貧しいけれど、いつか仕事が順調になったあかつきには、欲しいものを沢山買ってやる、というように未来に期待することで今を何とか乗り切ろうとするのですね。
今までは自分は臆病で人間関係もうまく行かなかったけど、あの能力開発セミナーを受けて、きっと積極的な自分に変わってみせる。そうして、今までとはまるで違う人生にしようと思うのです。
期待するというのは、実は足りない何かを手に入れようとする行為と同じなのです。ただ、それが今できないので未来に対して手に入れられるという期待をするのです。
手に入れることが今であっても、未来であっても、そのことで幸せな人生になるということはありません。このブログではいつも書いていますが、幸せとは永続的な心の平安なのです。
それは、何かを入手したからといって実現するわけではありません。どんなものを手に入れることができたとしても、満たされるのはほんの一瞬であって、しばらくするとまた何かが足りないという不満足感がやってきます。
勝負は今なのです。未来の何かに期待している生き方をしている限り、明日になっても来年になっても、その時になったらやはり「今」を満足することはできないはずなのです。
手に入れることを期待する代わりに、与える側になることです。今与えることにエネルギーを注いでいると、期待することから意識が離れていくのです。