いいに付け悪いに付け、人は何度も繰り返すことによって多くのことを自動的に習慣化していきますね。そして一度習慣となってしまったことは、それをやめることがとても難しくなってしまいます。
たばこはニコチン中毒になっているので禁煙するのが辛いのだと思ってる方が多いかもしれませんが、実は3日間くらいたばこを吸わないでいるだけでニコチンの中毒は消えていくらしいです。
本当は、たばこをやめるのが難しいのではなく、たばこを吸うという習慣をやめるのが難しいのです。セッションでは、心の癒しを進めていって、やめたくてもどうしてもやめられなかった事の心の原因を探り、それを取り除いていくことをします。
ところが、実際には原因となる問題を開放しても、なかなかはっきりとした効果が出ない場合もあるのです。それは、習慣化されていることが自動的に繰り返されてしまうからなのです。
時速100kmで走っているクルマのブレーキを踏んでも、急には止まれないのと似ています。習慣にはある種のエネルギーがあるのでしょうね。
『奇跡のコース』を学んでいくと、自分が今まで生きてきた中で培ってきたこと、養ってきたことなど、さまざまな無意識的にしてきたことなどを一度白紙に戻してみなければならないところに追い込まれていきます。
その時に、二つの困難と向き合うことになります。その一つは、恐れです。自分が立っている地面が崩れて行ってしまうような、自分の拠り所がなくなってしまう怖さを感じることになるはずです。
そしてもう一つは、この習慣を手放すという難しさだと思うのです。普段の生活の中でほぼ無意識的に繰り返している様々な行為、あるいは思考などのほとんどが習慣化されているのです。
このブログでも書いてきましたが、たとえば判断や解釈をするのは明らかに習慣となってしまっています。ですから、よほど意図的に判断はしないと強く思い続けない限りは、それをやめることはできません。
自分の言動や思考にはすべてその原因となるものがあるはずですが、その原因が見当たらないままに繰り返してしまうことがあったとしたら、それは習慣となっていること自体が原因なのでしょう。
習慣とは、エゴの防衛の一つの形であると言ってもいいと思います。つまり、習慣化することで、間違いを減らしたり、熟達することでより安全に物事を進めるという機能を持つわけです。
一見すばらしい機能のように思えますが、実はそれをし続けることでこのエゴの世界から抜け出さないでいるように仕向けられていると捉えることもできるのです。
自分が持っている膨大な習慣を手放すことを軽くみないことです。もしかすると、恐れを手放すのと同じくらいに難しいことなのかもしれません。